看護師の離職率や転職率を高めている要因の一つに、育児の問題がある。
看護の仕事を続けながらいかに育児をするか、長年多くの子育てママがこの問題で悩まされてきた。
看護師の人手不足が過酷な労働環境を作り、それがさらに職や転職を招いて看護師不足を呼び込むという悪循環に陥っていたのだ。
しかし時代は変わり、近年では看護師の労働環境は年々改善されており、働きやすい職場も増えつつある。
本格的な少子高齢化の時代を迎え、看護師の仕事の重要性はますます高まっている。
いつまでも時代遅れのままでは高齢化社会を乗り越えられないという危機感が、看護師の労働環境を改善する動きに拍車をかけている。
国も「育児介護休業法」を制定し、仕事と育児の両立が図れるよう様々な制度を設けている。
この法律によって、3歳未満の子供を持つ母親は時短勤務が可能になり、子育ての時間を確保できるようになった。
正社員のままキャリアを継続することも可能だ。
病院や医療機関も、看護師の定着を図るため労働環境の改善に努めている。
24時間託児所の開設などの配慮をする病院が増加し、やむを得ず離職した看護師に対して職場復帰しやすいように復職支援制度を整えている病院も多くなってきている。
このように看護師が仕事と育児を両立できるような環境は整ってきてはいるものの、それでも古い体質のままの職場も少なくない。
そのような職場で勤務する羽目にならないよう、事前の職場選びには慎重を期すべきだろう。