注目されつつあるテレワーク

自身のライフスタイルに対して思い描く目標や理想は、決して一様ではない。
たとえば女性の場合、指導的な地位について能力を発揮したいという人もいれば、家庭を顧みることに重点を置き、妥協ではなく前向きな選択として昇進とは縁遠いキャリアコースのマミートラックに乗る人もいる。

後者のように仕事と育児を両立したい子育てママに注目されている働き方が、テレワークだ。
テレワークとは、インターネットを活用した場所や時間にとらわれない勤務形態のことだ。
雇用される者が行うものとしては、就業場所を自宅にする在宅勤務、特定の就業場所を設定せず状況に応じた場所で仕事をするモバイルワーク、就業場所をテレワークセンターやサテライトオフィスにする施設利用型勤務の3つに分類される。
このなかで特に在宅勤務は、幼児期の子育てや在宅介護を担っている女性が仕事を継続するうえで有効だ。

しかし、テレワークで対象となる社員を限定してしまうと、職場全体から不公平感が生まれる可能性がある。
また、上司や同僚の目が行き届かないため、適正な時間管理や人事評価ができないという問題もある。
労働者が職場とは離れた場所で1人で働き成果を求めるあまり、働き過ぎにつながるという懸念もつきまとっている。
企業側としては、まずは長時間労働の是正を実現した上でテレワークを全社員に適用できる仕組みを構築し、労働環境に対する課題を一つひとつ解決していく必要があるだろう。